連載:タイの歴史 ③


 
前々回は、スコータイ王朝が起こる前のインドシナ半島の歴史を地理的な観点から振り返ってきました。
(http://www.sr-de.com/single-post/2016/12/20/tainorekishi-1)
前回は、民族的な観点から雲南に住んでいたタイ人が、南下を始めるところまでご紹介しました!(http://www.sr-de.com/single-post/thainorekishi2)

雲南省南部の大理国の台頭で、山間部に逃げたタイ族でしたが、漢族の南侵が激しくなり、さらに大移動をはじめ、インドシナ半島、ビルマ、アッサムなどの各地に散り、ムアン(国)を形成しはじめました。
決定的に南下を推進させた要因は、12世紀から13世紀にかけてのコレラの蔓延と元(モンゴル帝国)の南下です。


 

現在の北タイには、13世紀初頭までにはランプーンを中心に寺院など建築物の建設が頻繁に行われ黄金期を迎えていたモン族のハリンプチャイ王国が、コレラの影響で急激に弱体化。1281年にタイ族の一派であるタイ・ユワン族のマンラーイ王が南シナ海への貿易港路開拓のため、チャオプラヤ川上流のピン川にあったランプーンを攻撃し、ハリンプチャイ王国は壊滅。ラーンナー王朝を建設しました。
タイ・ユワン族は、モン族の建築や、ラーンナータム文字、仏教など文化的な部分を吸収し、このことがラーンナー独特の文化の源流となりました。

この後、ラーンナー王国は一時期ビルマに占領されますが、最終的には1939年に同族の小タイ族国家、タイ王国チャクリー王朝に吸収され、ほぼ完全に同化したため、現在は西北タイ人と呼ばれ、特に区別されていません。

一方、西へ逃げたタイ人もいました。稲作を生業としていたタイ族は川沿いで生活しなければならず、あるグループは、ミャンマー(ビルマ)のシャン州に進出し、サルウィン川流域のシャン族(タイ・ヤイ族)と呼ばれる民族を形成しました。シャン族は、中国のタイ族グループと併せて大タイ族と呼ばれています。
シャン族のグループの一部がパトカイ山脈を越えてインド北東部アッサム地方のブラマプトラ川流域で生活を始めた。これがアーホーム族やタイ・カムティ族を筆頭とするインドのタイ系諸民族です。彼らは現在ヒンドゥー化して、残念ながら、あまりタイ族としての原形はとどめていません。

一方、メコン川に沿って南下したタイ族は、現在のラーオ族と呼ばれるものになりました。当時メコン川流域は、アンコールワットで有名なクメール王国が支配していましたが、今のベトナムにあったチャンパ王国、中国の元からの侵攻を受け、クメール王国は戦力を南東へ集中。メコン川流域の水を狙って南下していたタイ族がその隙をついて、同地域に流入しました。

現在のメコン川上流東岸に住む人をラーオ族、西側をイサーン人といいますが、元々は同じ民族でした。ラーオ族は、16世紀の内戦によって分裂してしまい、周辺諸国の軍事的攻撃を受けて衰退し、同じタイ族である小タイ族(シャム人)の治めたアユタヤ王朝、チャクリー王朝が属国化しました。このことによる一種の小タイ人からの蔑視や、仏領インドシナ時代のフランス人による文化的な抑圧がきっかけで、ラーオ族独自のナショナリズムが促進しました。ラーオ人としての強いナショナリズムの影響で、ラーオ族は小タイ族との同化を頑なに固執したので、文化的に小タイ族とは似て非なる特徴を形成しております。

最後に小タイ族です。メコン川に沿って南下したタイ族の一部が途中でチャオプラヤ川の上流であるナーン川流域で別れ、そのままメコン川へ行ったグループは前出のラーオ族となり、ナーン川に降ったグループが現在の小タイ人のルーツです。当初は、強力なクメール帝国に肩身がせまい思いをして生活していましたが、クメール帝国アンコール王朝のジャヤーヴァルマン7世が崩御すると、タイ人が進出していた地域におけるクメール帝国の支配力が次第に弱まり始めました。ラート(現在のペッチャブーン市)の小タイ族領主のポークン・パームアンと、バーンヤーン(現在のナコーンタイ郡)の小タイ族領主のポークン・バーンクラーンハーオが共同でクメール人の勢力を追い出し、当時アンコール王朝の主要都市で交通の要所あったスコータイを占領し、小タイ族の王朝を建てスコータイ王朝が成立いたしました。これが、現在のタイ王国へと繋がっていきます。


 

コレラの蔓延により、弱体化したハリンプラチャイ王国に変わって、チェンマイ盆地に進出できたタイ族が、外的要因により弱体化したクメール王国や中国の元の隙をつき勢力を伸ばしました。まさに幸運!さらにタイ人特有の民族融和性の高さも現在の小タイ族の繁栄に結びついているのでは??
さあいよいよ次回は、スコータイ王朝建国からの歴史をひもときます!!
乞うご期待!



 

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