[シラチャde連載] シラチャから発信!!裏読みASEAN NEWS! 「タイランド4.0とは」②タイが抱える3つの爆弾とは?!

こんにちは。シラチャde編集部の山田です。

 

連載企画「シラチャから発信!!裏読みASEAN NEWS!」本日は「タイランド4.0」の2回目、タイランド4.0を打ち上げたタイ政府が抱える不安について、裏読みしていきたいと思います。

昨日はタイランド4.0の概要について、裏読みをしました。ではタイランド4.0始動のきっかけになった政府が抱える不安要素とはいったい何なのでしょうか?

大きく分けて3つあります。

(1)中所得国の罠

(2)少子高齢化

(3)周辺諸国の急速な発展

がその不安と言われてます。以下それぞれについて見ていきます。

⑴「中所得国の罠」

これは、タイが今まさに直面している問題と言えます。
定義からご説明致しますと:
「天然資源の活用や外資企業の誘致などによって中所得国へと成長してきた途上国が、それまでの成長路線に固執し続けた結果、高所得国に移行するのが困難になってしまうこと。」となっています。

ここで、実際にタイのケースを考えていきましょう。
タイは、外資誘致をこれまで積極的に行ってきました。その結果、安い人件費によるコスト削減を目的とした重工業企業が多く流入し、経済が急速に発展しました。(1980年代)。
しかしこうした企業は、安い賃金を目当てに工場を作っているため、タイ経済の発展とともに物価と賃金の上昇したことによるコスト競争力が低下してしまうと、よりコストの安いカンボジアやミャンマーなどの別の国に出ていってしまいます。

これはタイ国内で働く従業員にとっても職を失うことになるので、由々しき問題です。
そのため、賃金は世界基準から見たある一定のところで止まり、中所得国のポジションから抜け出せなくなっています。

⑵「少子高齢化への対応」

日本でもよく話題になる少子高齢化ですが、タイでも深刻な社会問題になりつつあります。
近年、タイでは高齢化が急速に進んでいます。
65歳以上の高齢者の人口比率は2016年こそ11.0%ですが、2022年には14%を超えて「高齢社会」が訪れます。

高齢化社会の問題点は大きく分けて2つあります。
一つは、単純に労働人口の減少による、労働力不足です。
労働力が不足するのに同様の経済を維持発展するためには、一人当たりの生産性を向上させないといけません。

2つ目は、社会保障制度の問題。
日本でも年金や医療費が問題となっていますが、日本は国と通貨の信用があるため国債でなんとか乗り切っているのが現状です。
しかし、財政も国債も不安定なタイでは、財源が足りなくなった時に首が回らなくなってしまう可能性があります。
さらに、しっかりとした社会保障制度をこれから整備していかないといけないタイでは、その経済的な理由による政府の社会保障政策と国民の期待が乖離する危険性があります。

このため、日本よりもタイの「少子高齢化」問題は深刻です。

⑶「他のASEAN諸国の目覚ましい経済発展とタイ経済の停滞」

中国の経済が発展するにしたがって、物価と賃金の上昇問題が発生し、中国は「中間所得層」の罠に陥りかけました。
しかし中国は、ITテクノロジー分野への投資や、世界第2位の経済規模と強権的な政治体制をうまく生かした政策で抜け出そうとしています。

こうした中国の発展で、外資企業は中国国外、主にASEANへ基盤をシフトつつあります。その受け皿となっているのが、ベトナムやカンボジア、ミャンマーなど政治的理由で経済発展が遅れていた国です。これらの国が選ばれている理由は2つあります。
Ⅰ後発者利益を享受した圧倒的なコスト的優位性
Ⅱ中国よりも早く、ASEANの中では早めに開国したために外資重工業企業が出揃っているタイに近いという地政学的特徴

この2つを活用した外国企業誘致戦略により、ベトナムやカンボジア、ミャンマーのメコン地域は急激な経済発展をしております。これは前述した「中所得国の罠」にタイが陥っている理由でもあります。

タイはこれらの国に押される形で、経済が停滞してしまっているのです。

では、これらの不安を解消するにはどうすればいいでしょうか??

私見ですが、先行者利益におけるタイの強みであるインフラ投資とメコンエリアの中心で人と物が集まるという地政学的特徴をフルに活用し、
マレーシアのように外国人従業員に多くの門戸を開き外国人労働者によって賃金の上昇を抑えることによって、
タイの経済を持続的に発展させていくことが可能で、タイにとって最良な政策ではないかと思います。

果たして、タイ政府の選択はいかに?!

 

明日は③「意外なタイランド4.0とドイツの関係。タイランド4.0がシラチャに与える影響とは?!」を掲載します。

 

読んでいただきありがとうございました。

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