【シラチャde連載】シラチャから発信!裏読みASEAN NEWS! 第2回:タイランド4.0の要 「EEC(東部経済回廊)」 どうしてチョンブリー周辺の3県なの??

こんにちは。シラチャde編集部の山田です。

先日の第一回では、今後のタイの経済の指針である「タイランド4.0」についてその背景を解説しました。

今回の第二回では、タイの外資企業誘致政策である「EEC(東部経済回廊)」を取り上げたいと思います。最近のEECに関するニュースだと9月に(株)日立製作所がEEC域内に自社IOTプラットフォームの開発拠点を作る事でEEC政策委員会と協力合意書を締結しました。このように日本企業が密に関わってくるEEC、その背景を今回は読み解いていきたいと思います。

①概要
②背景
③私見
④まとめ

①概要

「EEC(東部経済回廊)」は、国内一の工業地域であるイースタンシーボードを構成する三県(チョンブリー県・ラヨーン県・チャチュンサオ県)を指し、タイランド4.0に基づき2036年までにこれら3県を経済特区にしていくというものです。また数ある計画の中でも最優先と決められている
①ウタパオ空港の拡充、②レムチャパン港の開発、③空港間の東部高速鉄道の敷設、④電気産業・IT産業といった政府規定の奨励事業の国外トップ企業の誘致、⑤都市開発

の5つについては2017年中に開始される予定です。
では肝心のEECの大きな特徴はというと「域内での圧倒的な税制優遇措置」が挙げられます。具体的に申し上げますと

• 最大15年間の法人税免除
• 機械、原材料・必要資材及び研究開発または関連試験に使用する物品の輸入税免除

のように奨励事業を行っている国外の企業誘致の為の策がしっかり講じられています。

税制優遇のほんの一部分ですが、
参考までに同じ東南アジアであるベトナムと比較すると

このように法人税の免税期間ではもちろん、事業に必要なより幅広い品目の関税免除がEEC域内では認められています。
では次にEECの背景を説明していきたいと思います。

②EEC始動の背景 どうしてタイ政府が着目したのがこの3県なのか

EECの始動背景には第一回でお話したタイ政府が抱えている不安があります。加えて、チョンブリー、ラヨーン、チェチュンサオの三県をE指定した理由としては、大きく二つあります。

Ⅰ タイが誇る工業地域群を抱えている
Ⅱ 国内でも比較的進んでいるインフラ整備が既にされている。

Ⅰについては、アマタナコン工業団地を始めとした広大な工業地域が3県には広がっています。日系企業も多く入居している工業団地が集中しているこの地域をタイランド4.0の基盤にしていこうというのがタイ政府の考えです。

Ⅱはスワンナプーム国際空港はもちろん、ドンムアン国際空港やウタパオ空港、そしてタイ最大の貿易港であるレムチャバン港へEEC域内からアクセスが良いことから製造した商品の輸出、また原材料の輸入の際の移動コストが削減出来るという理由です。

この二つの理由から、タイ政府のこれまでの工業化で築いてきた地域をうまく使ってタイランド4.0に繋げていきたいという姿勢が読み取れます。
これまでの基盤を無視して、新しく経済特区を作るとなると時間を含んだコストが膨大なものになってしまいますもんね。

③私見

今回取り上げたEECですが、間違いなく今後のタイの経済を担っていく地域になっていくと考えられます。しかし、その一方で以前タイが経験したように、頑張って誘致した企業が将来的により安い人件費を求め他の地域、例えばアフリカなどに移転するといった事態が起きた時には以前の二の舞を踏むことになってしまいます。そういった面での対策も並行して講じながらEECの関連政策をタイ政府は進めていくべきだと考えられます。
また上記二つの三県が選ばれた理由に加えて、タイの日本人街であるシラチャの存在も大きいのかと思います。シラチャ在住のタイ人と話をすると、概ね日本人への印象はとても良いです。日タイの交流がある意味でバンコクよりも日常的に行われている街があるからこそ、タイ政府はチョンブリー県を含む3県を含んだのではないのでしょうか。

最後にまとめです。

④ まとめ

今回はタイランド4.0の中核を担うEECを取り上げました。
私達が暮らしているチョンブリー県も関わってくるため、今後の動向に注目です。

シラチャから発信!裏読みASEAN NEWS 今回はこの辺で。

お読みいただきありがとうございました。