【シラチャde連載】シラチャから発信!!裏読みASEAN NEWS! 第3回:TPPとどう違う? 「RCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)」

 

みなさん、こんにちは。シラチャde編集部の山田です
今回は、TPPを報じるニュースの中でもたびたび名前が出ていた「RCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)」を取り上げたいと思います。
TPPと同じようにFTAの1つなのですが、実際にはどのようなものなのでしょうか。

①概要
②成立の背景・TPPとの関係
③まとめ

①概要
RCEPとは「東アジア包括的経済連携協定」を指します。
モノの貿易(物品貿易)だけではなく、その国の人々に”より”関わってくるサービスや知的財産の貿易をも包含するというのがRCEPの特徴です。
交渉国はASEAN+3(ASEAN,日本、中国、韓国)に加えて、インド、ニュージ―ランド、オーストラリアの16か国です。立ち上げは遡ること5年前、ASEAN関連首脳会議において当時日本が提唱していたCEPEA(東アジア包括的経済連携協定)と中国が提唱していたEAFTA(東アジア自由貿易協定)を含んだ形で、ASEAN諸国の首脳とFTA提携国の首脳により交渉立ち上げが宣言されました。2017年現在、19回もの交渉会合が行われており、今年の10月17日~28日には韓国の仁川にて20回目の交渉会合が行われていました。
もしRCEPが実現した場合には、域内人口約34億人(世界の約半分)、GDP約20兆ドル(世界全体の約3割)、貿易総額10兆ドル(世界全体の約3割)を占める広域経済圏が誕生します。
域内人口としてはおよそTPPの4倍となっています。(TPPの域内人口:8億人)
TPPを圧倒していますね。

②RCEP成立の背景 TPPとの違い

RCEPは、先述したように今から5年前にASEAN首脳により提唱されました。そのきっかけは、TPPへの危機感だったとも言われています。
TPP(環太平洋経済連携協定)は、交渉立ち上げ以来先進国主導で会合が進められてきました。そのためこれまで先進諸国に比べ、経済成長が停滞していたASEAN諸国は、先進国の有利な方向に進んで行くことを懸念していました。具体的には、先進国がTPPの恩恵を与り、それ以外の国は恩恵を得られずに「周辺化」するという状況です。そこで、タイで言うところの「タイランド4.0」始動のように、これまで以上の経済成長を目指すASEAN諸国は、自らが中心となり、かつ先進国を巻き込んでいくことが出来る多国間FTA「RCEP」を提唱しました。

この宣言を受けて、元々独自のFTA構想を提唱していた日中両国は、二つのFTAを包含するRCEPに加わりました。

では具体的に、TPPとRCEPどう違うのでしょうか。下の表にまとめたのでご確認下さい。

表のとおり、双方ともにカバーできる点と出来ない点があります。RCEPでは、後進開発途上国への技術面での援助、TPPではアジアで日系企業が製造した製品を南米に無関税で輸出することが可能になり、大陸横断的にビジネスを行うことが可能になります。ASEANに拠点を構えている日系企業にとってもこのRCEPとTPPが締結されることで、規模を問わず出来ることが増えるため、どちらか一方という考えになるのではなく、2つのFTAを相互補完的に見ていく必要があるのではないでしょうか。

③まとめ
今回はあまり私達に馴染みのなかった多国間FTA,RCEPについて見ていきました。
ASEAN加盟国に拠点を持っている日系企業にとっても多くのことが可能になると考えられるため、今後の動向にも注目していきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました

コメントを残す